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ヨシムラ

2008年モデル Z1000(ZR1000B) インプレッション

安定感もかねそろえた高次元コーナリングマシン

進化しているのは、エンジンフィーリングだけではない。サスペンションや剛性バランスといった、車体関連も大きく進化している。特筆すべきはサスペンションだ。とくにリヤショックの路面追従性がいい。ちょっとしたギャップ程度なら、極端な突き上げ感もなく吸収してくれる。かといって、柔らかいサスペンション特性かというと、そんなこともなく、高荷重もしっかりと受け止めてくれるのだ。抽象的な表現になるが、柔らかいというよりも、必要に応じてよく動くサスペンションといえばいいだろう。

当然乗り味も上質になるのだが、車体も安定するため同時にハイスピードでのコーナーワークが可能。このコーナリング性能は車体の剛性バランスが改善されたことも関与しており、非常に安定した旋回性能を実現している。さらに、コントローラブルなエンジンフィーリングとあいまって、高い次元でコーナーを駆け抜けることが可能となっているのだ。

また、フロントブレーキもネイキッドモデルながら、ラジアルマウントキャリパーを採用する。そして、このブレーキは、スポーツモデルのイメージをかもし出そうというカタチだけのものではない。Z1000が持つ高次元の走行性能を制御するためには、ラジアルマウントキャリパーが必要ということ。必然性があっての採用なのだ。そして、ハードなブレーキングに対しても車体がよれることはない。

この車体は高く評価できる。Z1000のフロントは、倒立フロントフォークとラジアルマウントキャリパーの組み合わせ。ということは、ブレーキング時には、フレームのネック部分に相当な負担がかかることになる。そこで、強度を持たせたいわけだが、ここを硬くしすぎると、今度はチャタリングなどが発生する可能性も高まる。しかし、このジレンマをうまく解消しているのだ。

こういった高次元の走りが可能なのも、このマシンに採用された機能がバランスよく融合してるかこそのもの。もはや走行性能では、ネイキッドの枠を抜け出したといっても過言ではない。

2008年モデル Z1000(ZR1000B)

2003年にデビューしたとき、エッジの効いたスタイルがとても印象的だったZ1000。そして、2007年にモデルチェンジをすると、さらにエッジが強調され、従来のイメージを踏襲しつつも、またもや斬新さをアピールした

2008年モデル Z1000(ZR1000B)
2008年モデル Z1000(ZR1000B)
Z1000のデザインの特徴は、フロントに向かって低く構える、いわゆるクラウチングスタイルだ。モデルチェンジされたことで、より一層そのフォルムが強調された。ポジションは、意外と自由度が高い

2008年モデル Z1000(ZR1000B)
2008年モデル Z1000(ZR1000B)
各パーツにエッジがかけられるとともに、極端に湾曲させられ、人間にたとえると筋肉質にも感じられる。ビキニカウルは比較的低い位置に装着され、フロントがかなり低い印象を受ける。一方、テール部分はシャープに跳ね上がっている

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