ヨシムラ
Z1000Rを彷彿とさせる伝統的なスタイリングをまとったZRX1200R。そこに所有感は存在するが、それだけでなく走らせる楽しみも持つ。市街地走行からワインディングまで、バイクを操るおもしろさも、シッカリと備えている。
車体とエンジンがバランスよく融合
ZRX1200Rの前身、ZRX1100がラインナップされたのは1997年。当時、カワサキビッグネイキッドでは、空冷エンジンを搭載したゼファー750とゼファー1100がラインナップされていて、それはそれでクラシカルな味があった。ただ僕自身、もう一つなにか走行性能を追ったネイキッドが欲しいと思っていた矢先のこと。ちょうどそのときカワサキが投入してきたモデルがZRX1100で、伝統的なスタイルとエンジンで登場。これもまた味があった。スタイルからはZ1000Rを想像させられ、パワーユニットはGPZ900Rの流れをくんだ水冷エンジンを使用。ZRX1100にはゼファー750/1100とともに、カワサキの伝統を感じさせられる魅力があった。その後ZRX1100は排気量がアップされ、ZRX1200Rへと生まれ変わり、さらに、走行性能を意識したZ1000/750がデビュー。カワサキビッグネイキッドの世界は、一時期3種の体制となった。しかし、2007年にゼファー750/1100が残念ながら生産終了。2008年現在では、ZRX1200RとZ1000/750の2種体制となっている。
デビュー当時は、空冷エンジンを搭載したゼファーシリーズに対して、走行性能を追求したネイキッドとしての位置付けが高かったZRX1200Rも、今ではその座をZ1000/750に引き継いだといってもいいだろう。しかし、勘違いしないでほしいのが、ZRX1200Rは今の時代にあっても、決してイメージだけを提供するモデルではないということ。それどころか、走る楽しさをあらためて教えてくれるモデルといえるのではないだろうか。