ページを共有

ヨシムラ

2008年モデル Ninja 250R(EX250K8F) インプレッション

右に左に意のままにねらったラインを追従

魅力といえば、ワインディング走行が大きなポイント。ニンジャ250Rで、連続したコーナーを攻めることは、なんと楽しいことか。スロットルを勢いよく回して、シフトアップしながらも高回転域をキープ。そして、スピードを乗せてコーナーめがけてバイク走らせる。アクセルを大きく開けて、スピードに乗ったままコーナーに突っ込み、その勢いで立ち上がる。そしてまた、次のコーナーへ突っ込んでいく。この流れが、アクセル開度の大きいレベルで楽しめるのだ。切り返しも軽快そのもの。街中での安定した挙動はそのままに、ワインディングでは右に左にヒラヒラと実に軽快に車体をコントロールできる。このように車両の性能を引き出しながらコーナリングが楽しめるのは、何もベテランライダーに限ったことではない。初心者に近いライダーでも十分にマシンの性能を堪能できるに違いない。

というのも、接地感があってタイヤのグリップ力を感じながら、コーナー進入時に車体を傾ければ、その流れでバイクがラインをトレースしてくれるのだ。また、仮にライン取りを修正するとしても、比較的スムーズに行なえる。さらに、エンジンフィーリングがマイルドで、かつスロットルワークに忠実に反応するので、コーナリング中にスピード調整をしようとしても、車体がギクシャクしない。いたってスムーズにコーナーを抜けることができるのだ。タイトなコーナーで、パタンと寝かしても、フロントがインに切れ込むようなこともなかった。

また、試乗中にコーナーでわずかなギャップを通過する場面があった。当然ながら振動は伝わるが、それでもアクセルを開け続けたら、フロントがはねて危険な状態に陥るということもなく、そのままラインをトレースしてくれた。このようなケースは、日常的に起こりうることではないが、コーナリングに安心感があるというのは歓迎すべき点といえる。

2008年モデル Ninja 250R(EX250K8F) インプレッション
2008年モデル Ninja 250R(EX250K8F) インプレッション
2008年モデル Ninja 250R(EX250K8F) インプレッション
2008年モデル Ninja 250R(EX250K8F) インプレッション
コーナー進入で車体を寝かせれば、バイクが自然にラインをトレースしてくれる。旋回中の操作性も高く、スロットル操作や進路変更にも自由度がある。切り返しも、いたって軽快

多少のギャップは関係なし。思い描いたラインを手中に収めろ!

コーナリング中の車体は硬い印象はなく、適度なしなりを持たせている印象。もちろん、250㏄だからというようなチープな感覚もない。フレームは大径スチール鋼管のダイヤモンドフレームを採用する。搭載されたパラレルツインエンジンのパワーなどを考えれば、フレームはパイプフレームでちょうどいいくらい。もし、スポーツモデルだからといって、アルミツインスパーフレームを採用していたら、ともすれば過剰剛性になっていたかも知れないだろう。また、タイヤサイズは、フルカウルスポーツでありながら、同クラスのバリオス-ⅡやZZR250に採用された140サイズよりワンサイズ細い130サイズ。ただし、単に細いといって軽視するなかれ。これもまた、エンジン特性やフレームとのバランスが十分に考慮されている。ニンジャ250Rは、エンジンと車体、タイヤのバランスが、とてもうまく絡み合っている印象が強い。だからこそ、融通のきくコーナリングも可能というもの。ブレーキにしても必要にして十分。ハイスピードレンジからのブレーキングでも、車体に大きな違和感もなく減速する。だから、ついつい攻めたくなってしまう。ニンジャ250Rは、そんなライダーの心をくすぐるバイクだ。

ごく個人的な意見をいわせてもらえば、250㏄スポーツモデルの楽しみは、ドッカンパワーでも図太いトルクでもない。サーキットという限られたシチュエーションでなくても、エンジンや車体の性能をフルに使いきって、バイクのスポーツ性能を思いっきり味わうというところに楽しみはあると感じている。ニンジャ250Rに乗ると、その楽しみを安心感とともに堪能できる。

問い合わせカワサキモータースジャパンお客様相談室
電話番号0120-400819 ※月〜金曜 9:00〜12:00、13:00〜17:00(祝日、当社休日を除く)
URLhttps://www.kawasaki-motors.com/mc/



人気記事




カワサキイチバン