ヨシムラ
現在のフルカウルミドルブームの下地を作り、支えてきたNinja 250/400が2018年モデルで大きくモデルチェンジした。250はライバルを凌駕するパワーを備え、400はコンセプトを大きく変更。新型ニンジャのメカニズムに迫る。
絞り込まれたボディにさらなるパワーを備える
2017年東京モーターショーで、カワサキのスポーツバイクファン待望のマシンが発表された。Ninja 250とNinja 400である。そのスタイリングやスペックの発表に、多くのライダーが注目している。というのも250と400は扱いきれるパワー感と高い運動性能によって、多くのライダーが手軽にスポーツライディングを味わえる存在だからだ。
Ninja 250はミドルスポーツとして正常進化。水冷並列2気筒エンジンはクラス最高の39psを発揮。車両重量は7kg軽くなった。そしてなにより注目したいのがそのスタイリングだ。現行ニンジャシリーズの流れを踏襲した精悍なものとなり、ヘッドライトやテールランプはLEDになるなど質感も向上している。
対してNinja 400は生い立ちから大きく変わった。今までは海外を中心に発売されていた650をベースにしていたが、今回は250と同様の車体を使用する。フレームやサスペンション、外装、灯火類などの基本構成はNinja 250と共通化。従来のNinja 400に比べると40kgほどの軽量化となった。しかも最高出力は1馬力アップしたので、パワーウェイトレシオは従来の400より格段に低くなった。新型Ninja 400は、従来のツアラーイメージからスプリンターイメージへと変貌した印象だ。
車体[CHASSIS]
今回のモデルからNinja 250とNinja 400は基本構造が同じ車体を採用する。そのためパワーが大きいNinja 400に合わせて強度や剛性が設定されていると考えられる。といっても従来のNinja 250もニンジャ300と共通のフレームだったのでマイナス面はないはずだ。正立フロントフォークは大径化されフロントまわりの剛性アップを実現。フロントブレーキは大径&フローティング化されストッピングパワーも高まっている。そこからも新型の走行性能が向上していることは明確に感じられる。
Ninja 400
Ninja 250
2013 Ninja 250
装備[EQUIPMENT]
外装デザインの一新にともない、各部の装備類もグレードアップ。機能面はもちろん、クオリティも向上している。このあたりの変更に対してユーザーは敏感だ。ダイレクトに所有欲をかきたてる部分だけに、メーカーも新しい装備でアピールしてくる。新型Ninja 250/400はその点も抜かりない。従来のイメージを受け継ぎつつ、クラスを超えた装備と質感を備えた高品質なスポーツバイクとなっている。間違いなく所有する喜びが実感できるはずだ。
パワーユニット[POWER UNIT]
水冷並列2気筒エンジンは新設計となり、大幅にポテンシャルアップされた。Ninja 250は23kW(31ps)/11,000rpmから28.5kw(39ps)/12,500rpmになり、トルクもアップ。Ninja 400は先代のニンジャ300と比べてもそう変わらないほどコンパクト。ヨーロッパ仕様のNinja 400は最高出力が33.4kw(45ps)と発表されているが、これは免許制度の関係もありそうで、日本仕様は変わってくる可能性もある。
Ninja 400の変遷
2011年にデビューしたNinja 400Rは、Ninja 650ゆずりの堂々とした車体や豪華な装備が特徴。フルカウルながらバーハンドルを採用し、アップライトなポジションでスポーツツーリズムに最適なモデルだった。基本構成やデザインを大きく変えずに今年まで生産されている。
Ninja 250の変遷
Ninja 250Rは、排ガス規制の強化にともないスポーツバイクが続々と姿を消した08年に登場。誰もが楽しめる250スポーツとして定着した。13年に大きくモデルチェンジし、デュアルヘッドライトなど当時のニンジャシリーズの流れをくむデザインを採用し人気を得た。
2018年モデル Ninja 250/Ninja 400の主なスペック
Ninja 400(2018年モデル) | |
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全長×全幅×全高 | 1,990×710×1,120(mm) |
軸間距離 | 1,370mm |
シート高 | 785mm |
車両重量 | 168kg |
エンジン | 水冷4ストロークDOHC 4バルブ並列2気筒・399cm3 |
最高出力 | 33.4kw(45ps)/10,000rpm |
最大トルク | 38.0N・m(3.9kgf・m)/8,000rpm |
燃料タンク容量 | 14ℓ |
タイヤサイズ | (F)110/70-17(R)150/60-17 |
価格 | 58万3,000円(税抜)/59万3,000円(税抜・KRT EDITION) |
Ninja 250(2018年モデル) | |
全長×全幅×全高 | 1,990×710×1,120(mm) |
シート高 | 785mm |
車両重量 | 167kg |
エンジン | 水冷4ストロークDOHC 4バルブ並列2気筒・249cm3 |
ボア×ストローク | 62.0×41.2(mm) |
最高出力 | 28.5kw(39ps)/12,500rpm |
最大トルク | 23.5N・m(2.4kgf・m)/10,000rpm |
燃料タンク容量 | 14ℓ |
タイヤサイズ | (F)110/70-17(R)140/70-17 |
価格 | 64万8,000円(税抜)/65万8,000円(税抜・KRT EDITION)/66万3,000円(税抜・オレンジ) |
横田 和彦
1968年6月生まれ。16歳で原付免許を取得。その後中型、限定解除へと進み50ccからリッターバイクまで数多く乗り継ぐ。現在もプライベートで街乗りやツーリングのほか、サーキット走行、草レース参戦を楽しんでいる。