ヨシムラ
さらなるバージョンアップをはたした2016年モデルのNinja ZX-14R。強化された足まわりはマシン特性をさらに高めるもので、「これほどのバイクが一般的に手に入れることができるとは」と現役レーサーも驚きを隠せないほどのレベルに達していた。
申し分ないエンジン特性。その性能は天井知らず?
印象的だったのは「軽くて乗りやすい」ということ。試乗前は排気量1,441ccと聞いて、重ったるいマシンじゃないかという先入観があった。また、試乗したこの日は路面状況がウェットで、気温も低いというバッドコンディション。最初は「あまり無理をせず走ろう」と思っていたが、乗り続けるうちにこちらの思惑以上の性能を発揮し始めた。
まるでサーキット仕様の足まわりを手に入れたZX-10Rのような軽さで、サーキットでも十分軽快に走れるほどの仕上がりになっている。ハンドル操作に頼ることなく、ステップとタンクホールドを使っての荷重移動だけで軽快に操れる。初めて乗るバイクでこんな路面状況下だというのに、しっかりとタイヤをマネージメントし、サスペンションの動きを感じ取りながら駆動力を引き出して駆け抜けていける。ここにブレーキング性能とサスペンションのグレードアップが活かされているようだ。それでいて、3,000rpmぐらいの低速域から4,000rpmぐらいまで上げていくと、マイルドながら力強いパワーを発揮してくれる。
スロットルを大きく開けた時は強烈に加速するものの、かといって全体的に荒々しさはなく非常に乗りやすい。完成度の高いバイクで、ライダーの能力以上のパフォーマンスが引き出せるレベルにあると言っていい。それをどう乗りこなすか。乗りやすいバイクだからこそ、しっかり操れる技術が必要になると強く感じた試乗だった。
仕向地により異なる仕様
日本を含む一部のアジア仕様とされるアップハンドルの他、タンデムグリップや荷かけフック、ロアカウルディフューザー、シングルシートカバー、タンデムグリップ、センタースタンドなど、北米や欧州、その他のアジア諸国と仕様が異なる。日本仕様はシングルシートカバーとロアカウルディフューザーが未着となっている。
主なスペック
車名 | Ninja ZX-14R |
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マーケティングコード | ZX1400J |
全長×全幅×全高 | 2,170×780×1,170(mm) |
軸間距離 | 1,480mm |
シート高 | 800mm |
車両重量 | 269kg |
エンジン | 水冷4ストロークDOHC4バルブ4気筒・1,441cm3 |
ボア×ストローク | 84.0×65.0mm |
最高出力 | 147.2kW(200ps)/10,000rpm |
最大トルク | 158.2N・m(16.1kgf-m)/7,500rpm |
燃料タンク容量 | 22ℓ |
タイヤサイズ | (F)120/70-17 (R)190/50-17 |
価格 | 168万4,800円 ※価格はブライト調べ |