ヨシムラ
意外性から生まれるもう一つの魅力
安定性と安心感、これがいい意味でのギャップとなっている。見てのとおりフォルムはとても迫力がある。車体の大きさ、そしてデザイン、近寄るものを威圧するには十分すぎるだろう。ところがいざ乗ってみると、ライダーにはとても忠実なマシンとなっている。ポジションに関してもハンドル・ステップ・着座位置、この3点の距離感が人間の身体にとてもなじむ位置関係にあり、車体の大きさからくる違和感はほとんど感じられない。おそらく周りからは、デカイバイクにまたがっているように見えるだろうが、当の本人してみれば気負いなど皆無に近いのだ。人間誰しも意外性というものには心を引かれるもの。その意外性、そしてギャップがZZR1400の魅力でもあるのだ。
かつてZZR1100が登場した90年、そのデビューはあまりにもセンセーショナルだった。そして、ZZR1100はあの時代の最強マシンだったことに異論をはさむ余地はない。フォルムの威圧感同様、走行性も見ためどおり暴れ馬的だった。しかしZZR1400は見ためとは異なる扱いやすさを持ち、同時にパワフル感も備えている。これが技術の進歩だろう。だからといって性能を比べてどうこういうつもりは毛頭ない。時代が変われば技術も変わる。その時代の中でカワサキが最先端の技術を投入し、最強をねらって世に送り出していることには変わりないのだから。では、ZZR1400がZZR1100に取って代わって新しいZZRブランドを築き上げるかといったらその必要もない。両者は時代をになうカワサキフラッグシップという点で共通だが、技術の進歩という点では、まったく違う次元でラインナップされているからだ。すでにZZR1100は独自のブランドを築いている。だからZZR1400も己のブランドを作り上げればいい。ZZR1400はそれだけのポテンシャルと話題性、そして存在感を持っているのだから。
主なスペック一覧
マーケティングコード | ZX1400A |
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全長×全幅×全高 | 2,170×760×1,170(mm) |
軸間距離 | 1,460mm |
シート高 | 800mm |
乾燥重量 | 215kg |
エンジン | 水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ・1,352cc |
ボア×ストローク | 84.0×61.0(mm) |
最高出力 | 190ps/9,500rpm ラムエア加速時:200ps/9,500rpm |
最大トルク | 15.7kg-m/7,500rpm |
燃料タンク容量 | 22ℓ |
Fタイヤサイズ | 120/70-17 |
Rタイヤサイズ | 190/50-17 |
※掲載当時から一部表現を修正しています