ヨシムラ
Z系エンジンとしては第二世代にあたる“マークⅡ”。Z1以来のカムカバー形状が変わったブラック塗装のエンジンからは、空冷Zならではの咆哮がクローズドコースに響きわたった。
時を経ていまだに多くのカワサキ乗りに愛されている事実はなにか!?
今回試乗したZ1000MkⅡは、東京のガレージZが、美しいルミナスネイビーブルーのリペイントから、エンジン、フレームに至るまで完全に分解してフルオーバーホールしたという、ショップの試乗車でもある一台だった。デッドストックの新品パーツを組み込んだ箇所も多いそうで、リヤサスペンションに社外品を用いている以外はフルオリジナルのコンセプトで仕上げられていた。1979年のデビューから膨大な歳月を経ている今日に、このようなコンディションのMkⅡに乗ることができるのは、そうそうあることではない。そんなわけで、試乗には非常に意義深いものがあった。
さて、さっそくコースインして走らせてみたが、多くの場面で、Z1Rよりも時代が新しくなるにつれポジティブに進化しているなと感じられる面があった。登場年としてはZ1Rと1年しか違わないし、モデル開発の時期もオーバーラップしているはずだから、世代的に進化していると見るのはやや語弊があるけれど、全体的にキビキビとした乗り味が感じられた。

いわばスペシャルなモデルだったZ1Rに対し、スタンダードモデルのZ1000(A1〜2)を角型デザインに改めたのが、このMkⅡだ。ダブルクレードルフレームも基本骨格はそのままだが、各部補強で剛性を強化した