ヨシムラ
2003年、前衛的なスタイルを持って生まれたZ1000。走りもそれに劣らず過激さを強調。それをいかにライダーが操るか…。こういった印象の強かったマシンが、2007年の今年フルモデルチェンジ。過激さは健在、しかもそれを操りやすく変ぼうしていた。
積極的に操れる旋回性能は大きな武器
ネイキッドモデルにして、刺激ある走りを存分に楽しめることが魅力のZ1000。事実、初期型のZ1000はネイキッドの枠を超えた俊敏な性能を持ち合わせていた。そして、それをいかにライダーが操るかが、また一つの楽しみだった。そのZ1000が、今年大幅なモデルチェンジをして発売された。その乗り味はどのように変貌しているのだろうか。
いたって俊敏な走行性能は健在。ただそれだけで終わるハズもない。もともとスーパーネイキッドとしてラインナップされたわけだから、この感覚は残って当たり前。新しいZ1000は、そこからさらにもう一歩、安定感と安心感が増していて、扱いやすさも数段アップしている。といって落ち着いてしまったのかというと、そんなことはまったくない。むしろ、より過激に攻められるように仕上がっている。これはスーパースポーツモデルの進化に見られる例だが、走行性能を突き詰めていくと、結局のところ扱いやすいマシンに仕上がっていくケースもある。この流れがZ1000にも発生しているということだ。
では、なにゆえの安心感なのかというと、何せ車体からの走行インフォメーションをつかみやすい。接地感だったりグリップ感がリニアに伝わってくる。だから、安心して攻め込める。気が付けば、こんなに速いスピードでコーナーを抜けていたのかって具合に…。