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ヨシムラ

コイツは現行モデルか! 極端なまでに低振動

1979 Z1300(KZ1300A) インプレッション

さて、この巨体の動力源であるエンジンだが、お世辞抜きで本当に驚いた。とにかく振動が小さく、マイルドでストレスなく回転する。大げさでなく、まるで現行モデルの水冷エンジンのよう。しかも、低回転から高回転までパワー感もある。そしてこのパワー感は、一昔前のスーパースポーツモデルに感じられた肩ヒジ張った瞬間移動的な強烈なものではなく、車体をジワッと力強く前に押し出すような、どこかゆとりを感じさせるフィーリング。それでいて、高回転までスムーズに吹け上がる。まぁ、車両のコンディションもよかったのか、こればかりは本当に驚きの一面を見せられた気分だ。

しかし、動力・駆動系に関してひと言付け加えておきたいのがシャフトドライブの性能。この部分は、かつてのシャフトドライブのクセが象徴されている面でもあった。アクセル全閉からの開閉に応じて、リヤが“クンっ、クンっ”と上下に挙動してしまう。とくに、低いギヤを選択して高回転で走らせると、エンジンブレーキも効きやすく、いっそうこの現象が表れてしまう。このピッチングモーションを少しでも和らげるためには、一つ高いギヤで走らせればいい。一般的にはギヤを高く選択すると、トルク感が薄れてしまう場合もある。ただしZ1300の場合は別。このエンジンなら、高いギヤでトルク感を持たせながら、力強く走らせるだけの性能はある。

このマイルドでパワー感のあるエンジンにして、それを受け止める剛性の高い車体。Z1300はこの2つがうまく融合しているのではないか。だからこそうまく乗りこなしてあげたい。単にデカイだけのバイクではなく、体重移動などライダーがコツを押さえて乗ってあげれば、必ずやそれを受け止めてくれるだけの広い器は持っているのだから。

主なスペック一覧

型式 KZ1300
全長×全幅×全高 2,295×905×1,280(mm)
軸間距離 1,580mm
シート高 810mm
乾燥重量 297kg
エンジン 水冷4ストロークDOHC2バルブ並列6気筒・1,286cc
ボア×ストローク 62.0×71.0(mm)
最高出力 120ps/8,000rpm
最大トルク 11.8kg-m/6,500rpm
燃料タンク容量 20.4ℓ
タイヤサイズ (F)110/90-18 (R)130/90-17



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