ヨシムラ
見るからにド迫力のたたずまい。余裕を持って構えるその姿には風格さえ感じる。そして、この風格は何もスタイルだけではない。コツを抑えた乗り手の操作性を受け入れるだけの器の広さも兼ねそろえていた。
無骨なフォルムと裏腹に、乗ればニュートラル
1970年代、空冷4気筒Z系モデルの発売ラッシュを続けていたカワサキ。その70年代が終わろうとしていたころ、空冷から一転して水冷、しかも6気筒の超ド級のマシンが世に放たれた。Z1300…、まるで要塞のような容姿。その迫力は、今なお健在といっていいだろう。
今回Z1300を目の前にして、かつての記憶がフラッシュバックした。まだ二輪免許を取る前、友人と一緒にバイクショップに行ったときのこと。僕は初めてそこでZ1300を目の当りにした。「なんだこの巨大なバイクは! タンクも異常にデカイ! こんなの人間が扱えるのかよ。オレは悪いけど起こす自信はネェぞ…」と、恥ずかしながらその姿に圧倒されてしまったもんだ。それから25年経った今、その車両を走らせることになった。