ヨシムラ
コイツのまわりには“バイクが乗り手を選ぶ”“ジャジャ馬”などと、モンスターマシンの雰囲気タップリの形容がつねに飛び交う。そのモデル名は500SSマッハⅢ。今なお語り継がれるその走りに、あらためて直面した。
強烈なパワーバンドを選択するか否か…。右手に集中してアクセルワークを制御しろ!
世界最高速と驚異的な加速力を持って世に送り出され、1960年代のカワサキを締めくくった500SSマッハⅢ(以下マッハⅢ)。クセのある走行性能から“ジャジャ馬”などと呼ばれることも多いが、今回あらためてその走行性能に触れてみよう。
僕自身、過去にもマッハⅢや同系統の2ストローク・トリプルエンジンを積んだ車両に何回か乗ったことがあるが、今回は久々の試乗。さてと…、まずは“ジャジャ馬”のお手並み拝見とでもいきましょうか。
ところがどうだろう、意外と扱いやすいことに驚いた。おそらく車両のコンディションもよかったのだろう、乗っていて楽しいくらい。もちろんエンジンはピーキーだし、フロントフォークのダンパーの弱さなど気になる点もあるが、それは時代性というもの。マッハⅢの発売当時としては、車体全体はうまくまとまっているのではないだろうか。