ヨシムラ
スポーツ性能は一級。その総合評価は!?
今回の旅で僕が一番楽しみにしていたのがワインディングロードだ。軽量でパワフルなニンジャ400の性能をいかんなく発揮できる場所だからだ。楽しむぞー!と思っていたのだが、向かっている途中で雨が降りだした。あぁ、なんてこった…。テンションが下がってきたところでワインディングに突入。大降りではないが路面全体が濡れている。カーブの進入で恐る恐るブレーキング。と、フロントまわりがしっかりしているからだろう、ウェット路面ながら想像以上に不安なく減速できることに気付く。そのまま軽くバンクさせコーナーの出口が見えてきたところでアクセルをジワッと開けていく。400ccエンジンは低回転から豊かなトルクを発揮するので、ちょっとアクセルを開けるだけでスルスルッと立ち上がっていく。おっ、これは楽しいかも! エンジン回転数を上げなくても十分に加速してくれることから気持ち的にも無理がかかりにくい。余裕を持ちながら雨のワインディングを走れるとはうれしい誤算だ。これも扱いやすいキャラクターの賜物であろう。僕はいつの間にかニンジャ400で濡れたワインディングを走ることに集中していていた。
ニンジャ400は、コンパクトな車体とエンジンパワー、足まわりのセットアップなどがうまくバランスしていて、ビギナーからベテランまで誰もがそれぞれのペースでスポーツ走行を楽しめるように仕上げられている。僕がとくにニンジャ400の乗り味を体験してほしいと考えるのは、大排気量車に長く乗ってきたベテラン勢だ。自分の体重移動やアクセルワークによって積極的に車体をコントロールする楽しみが得られるニンジャ400のフィーリングは、バイクに乗り始めたばかりのころを思い出させてくれるはず。もちろんビギナーにもバイクの乗り方の勉強になるのでオススメしたい。
そんなことも考えながら全行程を走ったが、とにかく疲れなかったというのが印象だ。一見薄めのシートではあるが、初日約500kmの距離を走ってもお尻は痛くならなかった。軽い前傾も手首や肩に負担がかからないし、ヒザや太ももなどの下半身にも疲れが生じない。エンジンの不快な振動も少なかったので肉体的なダメージはほぼゼロ。1日ビジネスホテルで休むことで微細な疲れは解消され、翌日残りの行程を問題なくこなすことができた。ツーリング性能もかなりのものである。スポーツ走行からロングランまでこなす、オールマイティさに磨きがかかった印象となった。
ハンドル切れ角
シート快適性
乗り降り
たそがれ度
燃費
高速道路 | 29.3km/ℓ |
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一般道路 | 29.3km/ℓ |
ガソリン満タン航続距離 | 402.3km |
横田 和彦
1968年6月生まれ。16歳で原付免許を取得。その後中型、限定解除へと進み50ccからリッターバイクまで数多く乗り継ぐ。現在もプライベートで街乗りやツーリングのほか、サーキット走行、草レース参戦を楽しんでいる。