ヨシムラ
想像以上にフレンドリーな乗り味
市街地を駆け抜け、峠道に差しかかる。スポーツライディング好きな自分には楽しみな瞬間だ。ここで持ち味である低中回転域の豊かなトルクと鋭いレスポンスが活きてくる。アップハンドルをねじ伏せるように寝かせると気分は80年代のスーパーバイクだ。しかし今どきのバイクらしくハンドリングは素直でバンク中の安定感も非常に高い。また好感を持ったのはピッチングモーションなどの挙動がわかりやすいこと。車体をコントロール下に置いておけるので、初めての峠道でも不安を感じずに楽しめたのである。
旅の後半、気になることがいくつかあった。一つはステップ位置の関係か足の付根が痛くなったこと。今まで他車で感じたことはなかった。これは、僕は普段、前傾姿勢のスポーツバイクに乗る機会が多いからだろう。もう一つは発進時のトルクフィール。力強い加速感を得られる反面、疲れてきたときなど思った以上に前に出てしまいギクシャクしたことも。まぁ、こちらも慣れでカバーできる範囲ではあるが。
走る余力を十分に残したまま1000kmの行程をクリアした。到着後、あらためて眺めているとリヤシートにテントやシュラフを無造作にくくりつけ、遙かなる北の大地に向けてフラリと旅立ちたくなった。これほどロマンを感じさせてくれるバイクもめずらしい。二日間の生活でその魅力にすっかりヤラれてしまった。
シート快適性
取りまわし
燃費
高速道路 | 17.46km/ℓ |
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一般道路 | 20.24km/ℓ |
ガソリン満タン航続距離 | 344.1km |

歴史あるデザインと現代のメカニズムが融合した新世代のZ。900ccといえば現代ではミドルクラスに近い排気量だが、存在感はフラッグシップと同じレベルかそれ以上。撮影中に通りがかった人に「カワサキの新型だ!」と注目されるシーンにも何度か遭遇した。
横田 和彦
1968年6月生まれ。16歳で原付免許を取得。その後中型、限定解除へと進み50ccからリッターバイクまで数多く乗り継ぐ。現在もプライベートで街乗りやツーリングのほか、サーキット走行、草レース参戦を楽しんでいる。